磁場解析

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IC-705の冷却

アマチュア無線日記

ファンを取り付ける

夏の運用時の対策

IC-705は温度が上がると、保護のため自動的にパワーが下がってしまいます。 特に、夏場は430MHzのFMやFT8などの連続運用をすると温度が上がりやすく、レッドゾーンに入ってしまうことがあります。

今年の猛暑と移動運用のため、OM諸氏は、背面のバッテリーを外し、ファンをつける工夫をされる方が増えました。 PC・電子工作やスマホの冷却ファンで6cmのサイズのものが、ほぼピッタリはまるようです。 私も、夏場対策として一つ購入して取り付けてみました。

動画2

吸気か排気か

ところが、取り付けに際して、一つ疑問が湧きました。 

吸気にするか排気にするかです。

吸気は、IC-705に風を当てるという方法で、扇風機と同じ利用方法です。 風があたった部分は、冷却されます。 人や物をオープンな空間で局所的に冷やすとき使う方法です。 熱いお茶をフーフーするのと同じなのですが、人やお茶が冷えるのは、主に周りの水蒸気を吹き飛ばして、気化熱を奪うからで乾いたものを冷やす場合は、今一つ効果がおちます。

排気は、PCやゲーム機など、エアコンの室外機など幅広く、多くの機器で利用されています。 排気にすれば、ケースに吸気口をいくつか設けて、空気の流れを作ることにより、全体を冷やすことができ、排熱をコントロールできるのでケースで閉鎖された機器の排熱に最適と言えるでしょう。 

それに、ファンから埃や異物を吸い込む危険はありません。 また、温度センサーを排気口に設けてファンの回転数をコントロールすることができます。 

吸気では温度センサーをファンに設けても外気温を計っていることになってしまい意味がなく、どこにセンサーを付けるか困ります。

今回の場合は、IC-705の後ろに付けるので、オープンスペースなこともありどちらが良いか、よく分かりませんでした。 そこで、実験をしてみました。

実験

少し雑ですが実機で実験してみました。 今回の実験は、私の環境特有のもので、かなりいい加減ですが結果をご報告いたします。

結論

排気と吸気の冷却比較

 吸気の方が良いようです。 いい加減な実験ですが、有意な差があると思います。 取り付けるファンの位置や密着度によってもっと差があるか、縮まるかするかも知れません。 あくまでご参考にして下さい。

実験に使用したもの

IC-705
FAN Mauknci ファン 小型 60mm usb ファン 3段階風量調整 5v 連続稼働可 ミニ ファン ルーター / PS4など 冷却用 ファン 6cm

・蚊取り線香
・ランタン IC-705購入時にオマケでもらったもの
・室温計

なお、IC-705との密着度を、排気・吸気ともなるべく同じにする必要があります。 幸い、今回購入したファンが両面にファンガード着いていたのでそれを担保してくれるでしょう。

実験方法

・実験1

   FT8 430MHz で連続運用して、ある程度、温度が上がってから(IC705 TEMP目盛23~25)ファンのスイッチオンにして、5分後、10分後の温度を計測した。 運用は続けたまま。 ファンの強さは3段階のうち最大。 もちろん室温・実験室の空調の影響は同じようにした。

・実験2

   吸気と排気の空気の流れの確認のため、蚊取り線香の煙の流れを観察した。  なお、見やすくするため、部屋を暗くし、横から光を当てました。 ファンの強さは、流れを見やすくするため 3段階のうち最小。 

実験結果

・実験1

排気 
時刻17:49 室温は25℃、排気スイッチオン直前のIC705 TEMP目盛23 (写真3)

Pic3 17:49 排気開始 温度23 室温25℃
写真3


時刻17:55 室温は25℃、 排気5分後のIC705 TEMP目盛19 (写真4)
 ブルーゾーンまで下がり切っていない。

写真4


時刻18:00 室温は25℃、排気10分後のIC705 TEMP目盛16 (写真5)
 ブルーゾーンまで下がったが高め。

写真5

吸気

時刻18:29 室温は26℃、吸気スイッチオン直前のIC705 TEMP目盛25 (写真6)

Pic6 18:29 吸気開始 温度25 室温25℃
写真6


時刻18:35 室温は26℃、吸気5分後のIC705 TEMP目盛14 (写真7)
 ブルーゾーンまで下がっている。

Pic7 18:35 吸気5分後 温度14 室温26℃
写真7


時刻18:40 室温は26℃、吸気10分後のIC705 TEMP目盛10 (写真8)
 さらに下がっている。

Pic8 18:10 吸気10分後 温度10 室温26℃
写真8

・実験2
排気時の煙の流れ (動画3)
ファンと枠の僅か隙間に煙の吸込みがあり(逆流)がある。

動画3

吸気時の煙の流れ (動画4)
吸込みはあるが風がIC-705の背面プレートに当たって乱流に近い煙の動き。

動画4

■考察
吸気の方が開始温度25℃と高いにも関わらず、5分後、10分後も排気より温度が低い。 排気ももう少し続けておれば一定温度まで下がる可能性があるが、明らかに冷却効果は吸気の方が高い。

■その地気付いたこと
排気
・意外と静か。
・暖かい排気の風をはっきり感じるが、遠くに熱気を運ぶには後ろが空いていないといけない。

吸気
・音がうるさい。もちろん、同じファンで同じ回転数。 
・モワッとした熱気が散る感じ、さらに、扇風機などで熱気がこもらないようを飛ばすともっと効果がありそう。

今回の実験では、
・FANはガード付きで、吸気、排気ともIC-705に密着はさせていない。
・少し大きめであったので、若干、ヤスリで削っている。
・嵌め込みだけでしっかりと装着できる。 ピッタリ、固定具は何も要らない。 (動画2)

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